みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
「あの力・・・・・・もしかして」

「そうだ。精霊を支配下に置く力、浄化の力。そしてもう一つ・・・・・・彼女のみに与えられた、この上ない特別な力」

──────自らの身を犠牲にして世界を操る犠牲魔法

「「「「え・・・・・・」」」」

あたし、春、翔太、零の言葉が重なり、リーナはグッと下唇を噛み締めた

見事なハーモニー

でも、いつもなら笑っていれるのだろうけど・・・・・・今は違った

美杏を犠牲にして操る、犠牲魔法

それは、魔法じゃない

もはや、魔導の域を超えた、超高位魔法

そして美杏を犠牲にして、代わりに得られるものそれは・・・・・・世界の支配

「嘘・・・・・・まさかそれを、美杏に使わせようって?」

「そうよ、この大戦を終わらせるのは、今はそれしかないのよ・・・・・・美杏はまだ、未熟すぎる。かつて神精大戦を収めた当時の精霊女王様のような力は、まだ無いの」

まるで元から知っていたような口ぶりで、リーナは悔しそうに零した

まさか

「リーナは、それを知って、着いてきたの?」

「・・・・・・もちろんよ。私がついて行かなきゃ、あの子は必ず、使ってしまう状況に陥るわ」

「そう、だよね・・・・・・」

リーナの言うことはもっともだ

でも、なんで

なんで、美杏を犠牲にしてまで

神様は、世界を治める存在じゃない!

だったらそんなこと、容易いことなんじゃ・・・・・・

「・・・・・・君」

「ひゃ、ひゃいっ」
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