みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
アストライオス様から、突然声をかけられたあたしは、変な返事を出してしまう

う、恥ずかし

でも、今は羞恥に悶えている場合じゃない

「アストライオス様・・・・・・美杏じゃなきゃ、ダメなんですか」

「魔導師よ、これは如何なる神にも使うことは出来ない。神の方が地位も力もあると思われがちだが、それは全く違う。本来は、魔力を統べる精霊女王こそが頂点。だが、長くその座に同じ者がいると、神としても困るものがあるのだ」

「それって・・・・・・それじゃあ、精霊女王が代替わりする意味は、もしかして」

「ああ・・・・・・ただ、かつての神がそう望んだからだ。だから、精霊女王は代替わりする。そしてその度に、受け継がれるは精霊女王の魔力。それさえあれば、精霊なら誰でも精霊女王になれるのだよ」

「じゃあ、美杏じゃなくても、いいんじゃ・・・・・・!」

「そうだ。精霊女王の魔力さえその身に流れていれば、本来精霊女王が持つ犠牲魔法は使えるだろう。精霊という、前提だが」

・・・・・・精霊女王の、魔力が流れている、精霊

果たして存在するのか

「え、えっと・・・・・・話が、難しくてついていけないんだけど」

一人あわあわする春はともかく

零も顎に手を当て考え込む

どうにかして、美杏だけは救わなくては

なにか、何かいい方法は─────

「一つだけ、あるわ」

凛とした声が、通った

それは、聞きなれた声

リーナだ

「リーナ?なにか、あるの?いい提案が」
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