みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
あたしの魔力が、瘴気を追い返そうとした瞬間

瘴気があたしの魔力を突き抜け、あたしの眼前まで迫った

真っ黒で、前が見えないほどに濃度の濃ゆい瘴気

あたしの体が保つかどうか

「ちっ・・・・・・」

新しく魔力解放をするだけの余りもなく、避けようとしたが

ガクッと、急に膝に力が入らなくなり、その場に崩れ落ちた

は?

「ふっ、馬鹿ね・・・・・・あなたがあたしにかなうはずないもの!忘れちゃったの?あなたの魔力をいつ吸収しようと勝手でしょ?」

忘れてた

あたしの魔力は、魔法界の魔力維持のために神から吸収される

だが、この様子を見て、魔力維持は単なる建前に過ぎないようだ

恐らく・・・・・・いや、絶対と言い切っていい。アイラの私利私欲に活用されていたはず

「お前・・・・・・」

「あははっ、ほら、あたしの瘴気を受けちゃいなさい!」

自ら瘴気と認め、そして開き直り

さらに濃くなった瘴気があたしの鼻の先に触れる・・・・・・その時だった

「んなこと、させてたまりますかっての!」

強い意志を感じる、意気込んだ声が耳朶に響いた

その刹那、あたしの目と鼻の先に迫っていた瘴気は・・・・・・あたしの背後から対抗した魔力によって跡形もなく消え去った

いや、これは・・・・・・魔力じゃねぇ

それよりも神聖なもの。魔法使いや魔導師が持つような類じゃない

そう、まるで神力

「イーリス・・・・・・?」

こんなことをするのは、イーリスしか心当たりがない

希望を胸に、振り返ると、そこには
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