みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
あたしの声を遮り、イザベラはラベンダー色の髪を揺らし、その手を高々と天に掲げた

そして、建言を唱える

「ユニティ」

にやりと口角を上げ、勝利を確信したように

イザベラは嗤う

そして、その刹那

アイラはイザベラのその短い呪文によって、一瞬にして霧と化した

原形を留めないその状態に、呆気に取られる

「もしかして」

イーリスも、ようやく答えに行き着いた

その霧は・・・・・・周りの瘴気ごと、イザベラに飲み込まれた

静かに、それはもう

叫び声ひとつ、上げることなく、アイラはイザベラの配下へと成り下がった

その沈黙を破ったのは、イザベラ

「まさか、この子と精霊女王さんとの戦いに呼ばれるとは思ってもみなかったわぁ。最近あたしの子供たちが減ってると思ったら、善良な神様が召喚してたなんて・・・・・・考えただけで笑うわねぇ」

口元を隠し、クスクスと笑う

あたしたちの身長にさほど変わりない、イザベラ

だがその見かけによらず、持ち合わせる力は強大

それが、神

「さあ、あたしが相手してあげるわ。あなた達からすれば、この戦が終わると同時に、魔物も消えるのだから、一石二でしょう?」

余裕の笑み

それに、畏怖を感じる者は少なくない

みれば、春の足は、カタカタと震えていた

アイラとは比べ物にならないほどの存在感

これが、本当の神だ

ここに在るべき神は、邪神の配下に成り下がる

・・・・・・やってらんねぇな、こんなのは

「アイラよりも強い邪神だろうがなんだろうが・・・・・・あたしは、ぜってーこの世界を助ける」

「うふふ・・・・・・その言葉、覚えたわよぉ?ほかの神様は以降この宮殿には入れないわぁ」

その言葉を放った直後、今までとは比べ物にならないほどの瘴気が溢れた
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