みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
薄く、薄く

それでいて、力が強い

なんだ、この瘴気・・・・・・見た感じは全く、強いものでは無いのに

「濃厚な瘴気だけが強いと思ってるみたいねぇ?それは間違いよぉ。ホントの瘴気は薄く薄く・・・・・・それでいて強力な、邪神の力を使わない効率的な瘴気」

20mほど離れていたあたしたちは、瘴気によって、彼女のテリトリー内に入った

肌がピリピリと、反応する

穢らわしい空気に触れて、あたしの魔力が反魔法を引き起こそうとするのを、必死で止めた

「さあ、どこからでもかかってらっしゃい?」

ニヤリと、また、不敵に笑った





「さあ我が配下よ・・・・・・」

「我が魔力に呼応せよ。紅く染まりし緋よ、解放せし力を用いて我が敵を撃て!」

「我が魔力に呼応せよ。水よ、意のままに姿を変え、閃光となりて射よ───っ」

零と春の詠唱する声が、間に響いた

それは、紅蓮の乱舞と、あたしとリーナのお気に入りである、攻撃力の高い水の槍

それらが、一斉に瘴気の中へ突進した

薄暗がりとも表現出来るそれは、魔法を当然のように受け入れた

な・・・・・・?

「瘴気が、魔法を通した?」

じゃあ、なんのためにあいつは瘴気を溢れさせた?

畏怖のため?

気分?

それとも、己の力を示したかったのか

わからないまま、それでも2人の魔法は、確実にイザベラを貫いた

─────はずだった

「なん・・・・・・っ!?」

「え、ちょっと嘘でしょ?」
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