みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
それ以上の叫び声をあげるまもなく、あたしの魔力も虚しく、2人は捉えられた

強い力に当てられ、意識を失っているようだ

だが依然として、その周りには瘴気がまとわりついている

「春・・・・・・っ!」

「おい、翔太どうした?」

「やめて!触っちゃだめ!」

2人を起こそうとする千聖たちを、イーリスが止めた

「これに触れたら、2人とも・・・・・・同じことになっちゃうよ。今まで漂ってた瘴気は、本当に無害だけど、あの呪文で力を持つの」

よく、知ってるな

「ふふぅ、物知り神様もいるのねぇ。でも、このふたりが居なくなったのは、痛いんじゃないかしらぁ?」

正直、あいつの言う通り、痛手だ

今でもギリギリの状態で、2人がいなくなるのはキツい

でも、やるしかない

「イーリス、2人の瘴気をどけれるか?」

「・・・・・・ある程度時間をかけてなら」

「頼む。あたしらはこいつを殺る」

「わかった・・・・・・彼女らが回復次第応戦する」

「ああ」

イーリスに、倒れた2人を任せ、あたしは向き直る

この間に、攻撃をしてこなかった辺り、あいつはこの戦いを楽しんでいるみたいだ

戦闘狂が・・・・・・

「それじゃあ・・・・・・我が配下よ、その力をとくと見せよ。我に忠誠を示せ」

その声と同時に、あの攻撃を全て受け止めた魔物と同種であるやつらが、あたし達に向かってきた

異形の大行進は、見たくないな
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