みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
力強く頷く

それを見て、あたしとリーナは最後に魔法を放った

「水よ、汝の力を我に貸せ。汝を司りし精霊の名の元に・・・・・・ここに集え、ならば散れ!聖なる魔力に呼応せよ!」

「これで・・・・・・どうだよ───────っ」


大きな波が、リーナの魔力と引き換えに発生した

あたり一帯を埋め尽くすほどの量と、全てを押し流す水流

まるで意志を持つような

そしてそれが魔物にぶつかり、その勢いに流されるままに列が崩れる

そしてそこに、あたしの魔法で作られた火の弾丸が炸裂した

水の中に火を入れるなど、本来なれば自殺行為だが

あたしの場合は違う

決して消えぬ、灯火を

「いくぞ」

「ええ」

そしてあたしたちは、翔びあがった

魔物共の上を越え、イザベラが鎮座する向こう側へと

すたっと着地をすると、そこにはほうっと息をついているイザベラが

「まさか、ここまでやるとは思ってなかったわぁ」

「そりゃどうも」

「あなた達からすればいいことだらけよねぇ?あたしを倒すなんてぇ。魔物の絶滅と、精霊女王という地位の安泰・・・・・・ふふ、メリットばっかりで笑うわぁ」

笑いのツボがよくわからない

だが、こいつは相当のやり手だ

それだけはハッキリしてる

「それはいい。あたしの目的はお前を倒す。それだけだ」

「美杏と同じよ。あなたを倒し、魔法界や神界そして精霊界・・・・・・全ての世界に平和を」

リーナもきっと前を見据え、イザベラを睨みつける

だが涼しい顔でそれを受け流すイザベラ

余裕だな、ほんとに
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