みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
「あははっ、逃げてばかりじゃつまらないわよぉ?」

「く・・・・・・っ」

「美杏、埒が明かないわ」

イザベラと戦い始めたから、しばらく経つ

なのに、あたしは今まで一度も彼女にダメージを与えることが出来ていない

一度たりとも

彼女が操る鎖を避けるので精一杯だ

リーナも魔力切れ寸前のようで、全力をだしきれていない

精霊の魔力枯渇は、最悪の場合死を意味する

強力な精霊なら大丈夫だが、少しでも可能性があるならばそれは避けたい

「うふふ・・・・・・」

突如、イザベラが不敵に笑う

刹那、リーナの足元から鎖が飛び出した

「な・・・・・・っ?!」

不意を突かれたが故に、リーナは鎖を避けきれず

鎖は瞬く間にリーナを締め上げた

「リーナ!」

急いで魔力を解放し、鎖を消滅させようとする

が、無理だった

いくらあたしの魔力を浴びても、一切力が弱まることはなかった

「なんだこれ・・・・・・ちっ!」

巻きついた鎖を対処している間に、イザベラから攻撃が入る

即座に業火で焼き尽くした

今のは魔物か

今も近辺で燃えている魔物らしき物体を視界の端に寄せて、リーナの鎖を見やった

「う・・・・・・ぐ、あ・・・・・・・」

四肢を絡め取られ、苦しげに喘ぐリーナ

まずい、魔力を吸い取られている

「四大元素を司りし我が命じる。この身が朽ちるまでの力よ、全てを我に譲りよ。闇を薙ぎ払う清浄となりて穿て!」
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