みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
あたしの魔法は、前方にいた魔物共がくらった

紅蓮に焼かれ、聖なる水が降り注ぎ、風刃に切り裂かれ、岩石に押し潰され、その体に亀裂が走り、断末魔を叫ぶ幾千の魔物

しかし、あたしの目標であるイザベラは、悠然とあたしの見下ろした

「いじめてあげるわよぉ?このあたしに牙を向いたバツ・・・・・・」

にやりと、笑う

瞬間

「美杏に・・・・・・触んじゃねぇ!」

視界で炎が爆発した

爆風とともに、紅の炎が、イザベラに襲いかかる

「え───────」

ぽかんとして、イザベラの時間だけ止まったかのようだった

今なら

「こんのやろう・・・・・・っ!」

傷だらけの体にムチを打ち、あたしは残った魔力でさっきの魔法を、全力でぶつけた

四大元素の力をもったあたしの魔力は、零の炎ともにイザベラに鉄槌を下した

「いや・・・・・・・いやぁ!」

悲痛な叫びとともに、我に返った彼女は瘴気を溢れさせる

だが、それを許さない

「やめて・・・・・・これ以上、穢さないで!」

イーリスの神力が宮殿に広がった

果たして、その力は絶大だった

瘴気を相殺し、あたしたちの魔法に混ざる

魔法を一切の防御もなく浴びたイザベラは、あたしの横に崩れ落ちた

そして───────────

「こんな・・・・・・やつらに」

「こんなやつら?ほざくな」

ゆっくりと、あたしは立ち上がり、彼女をみおろした

傷だらけになり、ラベンダー色の髪の毛をぼさぼさにして

今にも消えそうな存在となったイザベラ
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