みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
あい、つら

「こんな状態で、なんで魔法を」

きついはずだ

死にそうな程に

あたし以外、誰も一切喋らない

口を開かず、結んだまま

「なんで・・・・・・」

平和がもたされた後、残されたのは、残酷な犠牲のみ

あたしは・・・・・・

「こうなるなら」

大切な人を、傷つけるなら

あたしだけ動けるような状況になるくらいなら

こいつらは・・・・・・

「巻き込まなきゃ、よかった」

つ・・・・・・っと、目元から涙が流れた

それは頬を伝い、顎から床に滴り落ちる

その瞬間

『美杏』

聞き覚えのある、声がした

それは、あたしが今流した涙が結晶化し、水晶のようになった小さなクリスタルから

「お母様・・・・・・?」

これは、本当に幼い頃に聞いた声

懐かしい、会えるなら会いたいと願った人

『美杏、よく頑張りました』

姿は見えないが、確かに声は聞こえた

確信した

これは、先代の精霊女王である、お母様だと

「お母様・・・・・・あたし」

『いわずともわかります。美杏、あなたに問いましょう。命を賭してでも、救いたいものはありますか』

あたしの言葉を遮り、お母様は静かに問う

優しい声に、涙ぐむ

だが、その質問の意味理解し、あたしは目頭が熱くなる感覚を抑えた

「あります。あたしは、こいつらを助けたい」

あたしが原因巻き込んだ

こいつらに、罪はない

ならば、原因であるあたしが、全てを償う

「お母様・・・・・・あたしは、どうすればいいんですかっ」
< 224 / 241 >

この作品をシェア

pagetop