みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
雫のクリスタルに向かって、願いを込めて問うた

静かに、クリスタルを拾い上げ、応答を待つ

『・・・・・・精霊女王には、特別な力が備わっています。一つ、魔を打ち払う力。二つ、全精霊を無条件に従わせる力。そして三つ』

あたしの知らなかった、三つ目の力

『──────自らの身を犠牲にして世界を操る犠牲魔法』

思考が停止した

その魔法を使うこと、それはつまり、あたしの死に直結する

魔法、ということは、少なからずともあたしの魔力を使う

だが、今のあたしの魔力はほぼ空に近い

「それは・・・・・・」

あたしが次の言葉を継げずにいると、柔らかく、クリスタルが輝いた

『方法は、私にもわかりません。ただ一つ、言えることは・・・・・・これをすれば、あなたは確実に消えてしまう。次の精霊女王となるのはリーナでしょう。でも、美杏、あなたはただじゃ済まない』

一つ一つの言葉に、その重みを感じた

沈黙の流れる空間に、ただ一人、あたしは呆然と座っていた
< 225 / 241 >

この作品をシェア

pagetop