みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
「失礼致します」

ローザがすっと、あたしの左手に口付けをした

そこから、魔力が注がれる

「かなり消耗されたご様子でしたので」

「助かる」

「勿体なきお言葉」

優雅に一礼すると、2人はさっと羽を広げて飛び上がった

よし・・・・・・

「傷を癒せ・・・・・・我が望む者の命を繋ぐ架け橋となれ」

ふわぁっと、優しげな光があたりに広がる

だが、少し遅すぎたかもしれない

零は特に重症だ

もっと・・・・・・もっと

今あるあたしの魔力を全てつぎこんででも

「頼むから・・・・・・死なないでくれ」

ここで死なれては、困るのだから





「女王陛下!」

「ありました!」

魔法の連続行使で意識を失いかけた頃

ローザとアルフの、嬉々に満ちた声を聞いて、我に返った

声のした方を見やると、2人が大きな水晶をもって現れる

あれが・・・・・・あたしの魔力の結晶?

「この中から、女王陛下のか強い魔力感じます」

「これに触れれば、恐らくは奪われた魔力を取り戻せるかと」

肩で息をしながら、あたしの元へ水晶を運んでくれる

透明で透き通った、拳二つ分程の水晶

形は球体で、つるつるとしているようだ

「どうぞ」

二人は丁寧に、あたしに水晶を差し出した

懐かしい感じがする

これは正真正銘あたしの魔力が込められている、神の道具なのだろう

「ありがとう二人とも・・・・・・お前達はもう帰りな」

「ですが・・・・・・万が一女王陛下の身に何かあれば」
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