みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
「いいんだ。今から行使する魔法は想像がつかない大規模なものとなる。今のお前らでは耐えきれない可能性が高い」

「私達のことは構いません。ここにいさせて───ダメだ」」

ローザの懇願する言葉を遮り、あたしはきっと睨みつける

こんなことは、したくなかった

あたしのために、あたしたちのために

この世界のために、自ら危険かもしれないこの世界に来てまで、協力してくれた彼らに

「女王命令だ。今すぐここから立ち去れ」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・承知、致しました」」

女王命令となれば、彼らも従うしかないのだろう

権力でねじふせることだけは、したくなかった

「ありがとな・・・・・・今後を頼むぞ」

あたしは切に願う

ローザとアルフが、現れた金色の扉に入り、ここから消えるのを見届けた

その後、あたしは目の前に置かれた水晶に目を向ける

「これが、最後のチャンス」

ゆっくりと、手を伸ばし

あたしは、水晶に触れた







「これ、は──────」

確かに、これはあたしの魔力だ

だが他にも、あたし以外の魔力も感じられる

どれも優しげな魔力だ

「歴代の精霊女王の・・・・・・」

魔力も全て、ここに?

だが、これで決めた

歴代の女王の力も、使わせて頂こう

そして問題は、行使において必要な呪文

あたしは取り戻した魔力を掌に集め、握る

確かな感覚

「ふー・・・・・・」

あたしは静かに目を閉じ、想いを馳せる
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