みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
〜零 side〜

「れーい」

「あ?」

治癒魔法がかかったままの翔太が、隣の部屋から俺の病室にきた

個室である俺たち4人は、集まれるのは昼が食べ終わったころしかない

「なぁ・・・・・・終わったんだよな」

「終わったよ。何もかもな」

俺が腰掛けているベッドの横に、どかっと座る

俺達はあいつに・・・・・・美杏に命懸けで着いて行った

そして俺は千聖と共に魔物共の相手を請け負った

今まで何もしていない、最後くらいはあいつの役に立てればと思い、したことだ

だが

結果は寧ろ、あいつに負担をかけただけだった

俺は千聖が受けるはずだった攻撃を、間一髪で肩代わりした

そしてそこで、ふっと意識が途切れ

気づけば俺は、ここにいた

そばにいたのは治癒魔法をかけていたであろう看護師

意識が戻った俺は軽く診察を受けたあと問題無しとされ、今では歩けるほどにも回復した

俺達は助かった

あの後、四大天使たちが運んできてくれたと聞かされた

ほとんど治癒も完了した状態で、病院がやることはほぼないに等しかったと

それなのに

あいつは──────美杏は、自らの命を犠牲にして魔法を使い、魔法界を救った

いや、魔法界だけでなく、精霊界も神界も救った

あいつが魔法を行使したであろう直後、この学校に群がっていた魔物達は、天から降り注いだ輝かしい光によって、あとかたもなく消滅したそうだ

それは暖かく、優しく

綺麗な光だったと

だからもう、美杏には会えない
< 237 / 241 >

この作品をシェア

pagetop