みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
「ひぃっ・・・・・・」

あたしの殺気を察知して、千聖は頭を縦に、恐ろしいスピードで振った

「ねねねねね寝てましたっ!ごめんなさい許して!」

「仕方ねぇな・・・・・・」

まあ、今日のところは許してやるか

にしても、やたらと春が静かじゃないか?

そう思い、千聖の向こう側を覗いてみると───

「んん〜〜〜・・・・・・むにゃ」

気持ちよさそうに、背もたれに凭れて寝ている春の姿が

ぷちっと、あたしの中で何かが切れた

「いい度胸じゃねぇか・・・・・・」

この直後

体育館中に、春の悲鳴が響いたことは言うまでもない





「おはようございます。これより、第105回私立魔法使い育成学校の入学式を執り行います。まず、副理事長からの挨拶です───」

周りが寝ているヤツらが多い中、千聖と春、そしてなぜか翔太までも、背筋をぴしっと伸ばして、壇上にいる司会の話を聞いていた

2人はわかるけど、なんで翔太まで改まってるんだよ・・・・・・

「みなさん、ご入学おめでとうございます。本日は理事長が不在のため、理事長から挨拶の手紙を承っております。代わりに副理事長である私が、代読させていただき・・・・・・」

壇上の机の前に立った副理事長とやらが、マイクに向かって話し出した

長い話が続く

うん、カットだな。さくっとカット

「・・・・・・それでは、学校生活を思う存分に楽しんで、魔法を学び、将来のために尽くしてください」

壇上にいた副理事長は、ぺこっと一礼してから壇上を降りた
< 25 / 241 >

この作品をシェア

pagetop