みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
さては、あたしとリーナが動くことによって生じる風を滅したか

すたんと、ステージ上に降りる

零のそばには、今まで姿を消していた精霊───下位精霊2人の姿が見えた

火属性と、風属性

風を足に集めて、跳躍力を増加

それによって、あたかもいなくなったかのような高速移動ができていたのだ

「油断しすぎだ・・・・・・先手必勝、だな」

口さえ動かすことが出来ないあたしは、そのまま固まっている

「ご愁傷さま・・・・・・これでも喰らえ」

そして、ぶつぶつと何かを唱えた刹那

炎が視界で爆発した

どおぉぉぉぉぉぉぉん!!!!

轟音が響きわたり、白煙が舞い上がった

観客はみな静まり返り、誰一人として言葉を発さない

誰もが零の勝利を確信した、その時

「・・・・・・甘いな」

あたしはそう、つぶやいた

魔力のつぎ込み方、精霊との連携、繰り出すタイミング

「全てがダメね・・・・・・これじゃあ生きていけないわ」

クスリと、あたしの隣で浮遊するリーナも笑った

「は・・・・・・?なんで、立って・・・・・・」

煙が徐々に晴れていき、零とあたしはお互いの姿を捉えた

平然とそこに立つあたしを見て、零は彼に似合わない顔で愕然としている

2人の契約精霊もぽかーんとしていた

「なぁ、リーナ・・・・・・本気出してもいいか?」

「だめよ、美愛が本気を出したらここが壊れるわ・・・・・・せめて10%で抑えてあげなさい」

母親のように宥め、あたしに忠告をするリーナ
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