みんなに繋ぐ、全ての想いをここに

質問攻め

そしてその後

あたし達は、今置かれている現状を見てため息をついた

既に放課後で、寮の部屋に帰らなくてはならないというのに

なぜ、あたし達が今いる所────寮のエントランスで

先輩や後輩、さらに同級生から、質問攻めに遭わねばならないのか

「ねぇ、あなたどこで魔法を習ったの?」

「お師匠様は?だれ?だれ?」

「か、彼氏はいるのか?」

「ねね、彼女さんはいるのぉ?」

「魔力測定でerror出したってホント?」

「零お兄ちゃん、僕にも魔法を教えてー」

などなど、エントランスはやけに騒がしい

寮母室にいる寮母さんも苦笑している

少し離れたところで、その様子を見ながらあたしたちを待っている千聖たちも苦笑

リーナは、精霊眼の持ち主から何度も「可愛いーー!」なんて叫ばれたりする

零の精霊たちも、リーナをちらちら見ながら、必死に零の肩にしがみついて震える始末

零に至っては、もはや諦めて質問に答えている

あたしはと言うと・・・・・・

「い、いいからどいてください・・・・・・友達が、待ってるんで」

元々、人と関わる機会が少なかったあたし

千聖たちとは早々に打ち解けたが、何十人もの人に至近距離で囲まれたのは初めてだ

心臓はばくばく、引きつった笑みを浮かべて、そう言うのが精一杯

ちらっと、千聖たちを見る

3人で雑談していた

んにゃろー!

多少の怒りを覚えつつ、あたしはさっさとこの人の輪から抜け出したい一心で歩こうとする

しかし、誰かの足を踏みつけそうで怖く、一向に進めない
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