みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
「おい、起きろ」

一向に起きる気配のない千聖を、あたし────美愛こと本名美杏は起こそうとしていた

何度体を揺すっても、ソファに体を預けたまま起きようとしない

なんだこいつ

朝に・・・・・・寝起きに弱いのか?

起きる気配が全くしねぇんだけど

春がお風呂からあがって、ドライヤーで髪を乾かしている間

リーナ(2人にはあたしが作ったことにしてる)が料理を済ませて、食卓に並べるのをあたしが手伝っていた

それも終わって、幸せそうに眠る千聖を起こそうとしているのだが

・・・・・・また、こいつに魔法を使うべきなのか?

いいか、零という説教野郎がいないしな

「我が魔力に呼応せよ。生命の源よ、清浄なる水を」

入学式の時に唱えた呪文を再び唱え、千聖に冷気を詰め込んだ冷たい水球をお見舞した

「冷たあっ!」

悲鳴をあげて、千聖は飛びおきた

「やっと起きたのね」

下位精霊の姿のリーナが、呆れたようにあたしに聞いてきた

「起きたぞ・・・・・・ようやくな」

「えっ、今何時?」

「「6時30分」」

「・・・・・・マジ?」

「「ああ(ええ)」」

盛大にハモったあたしとリーナはさておき

意外と自分が長く寝ていたのに驚いたのか、ぽかーんとした顔であたしたちを見つめる千聖

口が半開きだぞ

「春もあがったぞ・・・・・・さっさと起きろ」

「ふぇぇ・・・・・・」

ずりずりとあたしから引きずられ、千聖は嫌でも目が覚めた様子だった
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