みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
これは一概に春のせいだと言えねぇな

仕方ない・・・・・・あたしが食べよう

「おはよー・・・・・・ってあれ、春は?」

「ソファで寝させた」

「あ、ほんとだ・・・・・・」

千聖が部屋から出てきた

眠そうに欠伸をして、ぐーっと伸びをした後、キッチンに入ってきた

「春の代わり?」

「ああ・・・・・・あいつ眠そうだったから寝させた。無理に起きさせて学校で寝られたら困る」

「なるほど」

うんうんと千聖が納得したように頷く

あたしの近くに来て、テーブルの上のお皿の上にある、真っ黒になったパンを見てギョッと目を見開いた

「これ・・・・・・美愛が?」

「んなわけねーだろ・・・・・・まあ、半分あたしだな」

「どゆこと?」

「あたしと春と話してる間に焦げたんだろ・・・・・・一概に春のせいだって言えねぇしな」

「ふぅん・・・・・・まあ、それは仕方なし」

あははと軽く笑って、千聖は冷蔵庫からバターを取り出した

・・・・・・バターとかあったのか

「これ乗せて焼くと美味しいよねぇ・・・・・・この黒焦げパン、あたしが食べていい?」

「は?なんで?」

「あたし、焦げたところ大好きなんだ!これに少し溶かしたバターをかけると妙にマッチするんだよね」

うっとりしたように妄想に浸る千聖

いや、わからん

気持ちがわからん

「まぁ、別にいいけど」

「ほんと?ありがとー」

にこにことバターを手に笑う千聖

< 52 / 241 >

この作品をシェア

pagetop