みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
あたしはこの辺の土地勘は全くないし、いざとなれば低位精霊の姿になって行動すればいいだろ

羽は魔力の結晶だから、それさえ見せなければ低位精霊と信じきってくれるはずだ

羽が大きければ大きいほど、魔力が多い、ということになる

「うう・・・・・折角精霊を見ることができるのに今日に限って全然いないし・・・・・・」

重いため息をつく少女

精霊を見ることができる?

おい・・・・・・それはあたしが認めた人間にしか与えられない特別なものだぞ?

精霊眼というんだが・・・・・・あたしは少女に与えたおぼえはない

つまり、こいつの前世が精霊眼の持ち主だったってわけだな

1人で納得していると

「いたっ」

耳元で、小さな声がした

「は?」

この声は・・・・・・もしや

「探したわよ!」

ぽんっと愛嬌のある音ともに出現したのは───

「リーナ!?」

「ほんとにもう、手間かけさせないでよね」

低位精霊の姿をした、リーナだった

それでも羽は消しているから、本物の低位精霊だと思われているだろうな

本当は高位精霊だけど

「えっ、精霊?!」

少女もリーナに気づいたのか、目を見開く

ちっ・・・・・・精霊眼の持ち主だったか

「もしかして、もう精霊契約を?」

驚いたようにあたしに聞いた

そうか

まだ学生は精霊と契約している人は少ない

飽くまでも世間一般、成人すれば精霊と契約している人の割合が多い

少し説明不足だったな・・・・・

「あ、ああ・・・・・・まあそんなところだ」

ここで否定すれば懐かれているだけだと思われるが、今はこう答えた方がいいだろう

一緒に行動していても楽だからな

「へぇ!」

「ちょ、何言ってるのよ」
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