みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
「っ・・・・・・このぉぉぉぉぉ!!!!」

佐藤まりが叫んだ刹那

膨大な魔力が爆発した

「ちっ・・・・・・これじゃあ生徒達に気づかれるだろ」

既に理性を失った佐藤まりに、今からあたしがやる魔法は今後、覚えていないだろう

なら、お構い無しにいきますか

「我が魔力よ、この手に集まれ」

あたしの手のひらに、ふっ・・・・・・と魔力が集まる

「精霊女王、美杏が命ずる。魔の力を打ち払え」

静かに唱えた直後

爆発した魔力よりも、膨大な魔力────あたしの魔力が爆発した

あたしの魔力は、別名"聖なる魔力"

理性を失い、魔の者となる寸前であるこいつを止めるには最善だ

この世界の者は、些細なことで魔の者───魔の力を有した者───となってしまう

人が一瞬でも闇に沈んでしまうと、そこにふつうの精霊とは異なる精霊、闇精霊が現れ、その物の魔力を吸い取り、穢れた魔力として返す

そうすることで、穢れた魔力を持ったものは、人間として生きるという意志を失い、闇に完全に沈められる

魔の者になったが最後、人間には戻れず、一生異形の者として、魔の力を持ったまま生きねばならない

魔の者になった者が死ぬ方法は、こうして魔の力を打ち払われること

魔力の渦が晴れた頃、佐藤まりは意識を失い、その場に倒れた

「手間かけさせやがって」

これが他の人に見られたらどーすんだよ

ってか、この辺りに闇精霊がいなくてよかったな

闇精霊は、元々普通の精霊だった

しかしその身を瘴気に汚染され、闇に堕ちてしまった精霊なのだ

そしてそれを浄化するのが、あたしこと精霊女王や神、天使の仕事

悪魔や同類である闇精霊などは、その逆

増幅させるのが仕事だ
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