みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
感心するようにうなずく少女と、慌てて否定しようとするリーナ

あたしはリーナの手を、自分の指で軽く弾いた

「いたっ」

「いいから話合わせとけ。いつか帰るから」

「でも・・・・・・」

「ほんの少しだけだ。ちょっと魔法を学んでから帰る。人間とも触れ合う機会だろ」

何か言いたげなリーナをスルーして、あたしは学校に入学する手段を考える

まず、今日が入学式なんだよな・・・・・・それだと無理だな

だけど、自ら精霊女王だと明かすのもまずい

さて、どうしたものか・・・・・・

「そーいえば、あなたも精霊眼もってるんだね!」

唸っていると、少女から話しかけられる

しまった

「でも、精霊眼もってる人は全員入学しなきゃダメなはずだよ・・・・・特待生として扱うから、奨学金がでるの」

ん?

いま、なんつった?

精霊眼の持ち主は全員入学?

へぇ・・・・・・

「いいこと思いついたぞ、リーナ」

「なによ」

不満そうに口を尖らせながら、それでもあたしの話を聞こうとするリーナ

「精霊眼もちは、どうやって調べるんだ?」

「えっと、地域ごとに置いてある、それを調べる機械で素質を見出すの。その時に、精霊眼のこともわかるんだ」

ふぅん・・・・・・

つまり、これなら大丈夫だな

「リーナ、今からあたしが言う話に合わせろよ」

「だから、もう帰らなきゃ・・・・・・」

「いいから、聞けって。ちょっとリフレッシュしてくだけだって」

あたしをどれだけ帰らせたいのか、何度も「帰る」と連呼するリーナ

リーナを一旦黙らせて、あたしはこう続けた

「調査時は旅をしてて、あたしは調査できなかった。こっちに来る用事があって来てみたら、この少女に会って、学校の話を聞いた・・・・・・これで通すぞ」

「それはなんでも無理でしょう」
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