みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
がしっと、あたしは逃げようとする春の腕を掴む

「はしゃぎすぎだっつーの!せめて先生の話は聞いとけ!」

「ご、ごごごごごめんなさぁぁぁぁぁぁい!!!!」

本気の謝罪を叫ぶ春の後ろに、影が見えた

どうやら、騒ぎを聞いて駆けつけたらしい莉央先生

「あれ?先生が一生懸命作ったドーム壊しちゃったの?!」

『(いや、そっちかい)』

その場にいる全員の心が繋がった瞬間である

って、それはどうでもいいわ

「莉央先生、犯人はこいつです」

あたしはなんの躊躇いもなく、春を先生に突き出した

春から情けない声があがるが、無視

「ありゃー・・・・・・ダメじゃない春ちゃん!先生のドーム壊しちゃ!」

いや、壊したのはあたしだが、あれは不可抗力ってことな

ってか、原因作ったの春だし

「い、いや、ドーム壊したのは美愛ですよ?!」

春、その内容ならあたしが悪いけど、今はその話じゃねえからな?

「うんうん、それについては美愛ちゃんに言いたいことはたーっぷり、あるけどね?でもねー、美愛ちゃんがさっき言ってた通り、Aのドームには2人で入らなきゃダメなんだよー。これでもかってくらい、念押ししたはずなんだけどなー」

うんうんと、1人で頷く莉央先生

さあっと、春の顔が青ざめる

「春ちゃん、1日目が終わったら・・・・・・先生の部屋に来てねー?部屋は『山茶花』だから!」

にこおっと、悪魔の笑みで言われた

ドンマイ、春

あたしは今、お前にしてやれることは一つしかない

「行ってこいよ?間違っても逃げるなよ?」

この目でしっかり、春を今日一日監視することだな
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