みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
「な、なななななななななな・・・・・・・・・」

あたしは、零に抱えられていた

要するに、お姫様抱っこで

「離せって!」

「お前歩けねぇんだろ。仕方ないから連れてってやる」

「余計なお世話だよ!自分で行くっつーの!」

「いいから大人しく送られとけ」

「はぁ?んなの知るか!」

必死に抗議するが、さすが男子

胸をばんばん叩いても───元々力が入らないのもあって───ビクともしない

「下ろせって!」

「どの口が叩いてんだ」

・・・・・・・・・・・・・・大人しく連れていかれるしかないか

「歩美、そういうことだからダブルス無理かもしれねぇ・・・・・・リーナが帰ってきたら一緒にいてくれ」

「りーな?誰だ?」

「あたしの契約精霊・・・・・・魔力より集めて姿を見えるように頼んどく」

「ん、わかった。ちゃんと休めよ」

「さんきゅ」

お姫様抱っこされたまま、あたしは歩美に言った




「誰もいねぇか」

「だな・・・・・・つーか、早く下ろせ」

「連れてこられた身で・・・・・・」

ため息をつきながら、零は静かにドアを閉め、カーテンに囲まれたベッドに近づく

すっとカーテンを開け、あたしをベッドに下ろした

「少し休んどけ」

「・・・・・・はいはい」

見えない殺気を感じたぞ、今

っていうか

「なんで零、水属性のところにいたんだ」

火属性は、水属性と反対の方向じゃなかったか?

「ああ・・・・・・風属性のとこにいたんだ」

ベッドから離れず、静かに言い放つ零

ふーん・・・・・・

そういやこいつ、複数属性保持者だったな
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