エリート弁護士と婚前同居いたします
ブワッと湿気を含んだ生温かい風が吹いた。羽織っている黒い薄手のコーディガンの裾がはためく。青々とした街路樹の葉がざわざわと重なり合って、大きく揺れている。
「そうですか? 上尾さんってすごく茜さんを理解しているように思えますけど。しかもあんな極上のイケメンエリートに同棲に誘われるなんて!」
大きな目をキラキラ輝かせて話す瑠衣ちゃんの言葉に吃驚する。
「どこが! しかも同棲じゃないし!」
「どう考えても同棲です。お互い未婚の男女なんですから。茜さんは彼氏ナシだし。上尾さんも貴島先生に彼女はいないって確認済みですから大丈夫ですよ」
瑠衣ちゃんがしれっと言う。
彼女、いないんだ。よかった。
無意識にそう思ってしまった自分に慌てる。
待って、私、今、何を思ったの!? なんでよかった、なんて!
「感謝してくださいよ? 茜さんのために貴島先生に聞き込んだんですから。それにしてもあれだけのイケメンがあんな場所にいたら目立ちますよね」
ニッコリと同性の私から見てもドキドキしてしまうくらい可愛い笑顔で、瑠衣ちゃんがよくわからないことを言う。
「お迎えですよ」
そう言って瑠衣ちゃんが、私に五メートル程の距離がある駅前を見るように促す。視線を向けた私は驚いて、言葉をなくす。
「そうですか? 上尾さんってすごく茜さんを理解しているように思えますけど。しかもあんな極上のイケメンエリートに同棲に誘われるなんて!」
大きな目をキラキラ輝かせて話す瑠衣ちゃんの言葉に吃驚する。
「どこが! しかも同棲じゃないし!」
「どう考えても同棲です。お互い未婚の男女なんですから。茜さんは彼氏ナシだし。上尾さんも貴島先生に彼女はいないって確認済みですから大丈夫ですよ」
瑠衣ちゃんがしれっと言う。
彼女、いないんだ。よかった。
無意識にそう思ってしまった自分に慌てる。
待って、私、今、何を思ったの!? なんでよかった、なんて!
「感謝してくださいよ? 茜さんのために貴島先生に聞き込んだんですから。それにしてもあれだけのイケメンがあんな場所にいたら目立ちますよね」
ニッコリと同性の私から見てもドキドキしてしまうくらい可愛い笑顔で、瑠衣ちゃんがよくわからないことを言う。
「お迎えですよ」
そう言って瑠衣ちゃんが、私に五メートル程の距離がある駅前を見るように促す。視線を向けた私は驚いて、言葉をなくす。