エリート弁護士と婚前同居いたします
それから彼は部屋の中を案内してくれた。広めの三LDKの部屋はどこも綺麗で掃除が行き届いていた。玄関を入ってすぐ左脇にある小さめの部屋を、彼は書斎がわりに使っているという。
リビングに続く廊下に並ぶふたつの部屋のひとつは彼の寝室。もうひとつは空き部屋。
「一緒に寝る?」
真顔で言う上尾さんを無言で睨む。
「冗談。俺の隣の部屋がお前の部屋」
そう言って、彼は明るいブラウンのドアを開けてくれた。七畳ほどの部屋には、向かって左手にウォークインクローゼットがあり、正面にはサービスバルコニーに出られる大きなガラス窓。装飾レールには淡いベージュのカーテンがかかっていた。
そろ、と室内に足を踏み出す。十分すぎるほどのスペースだ。
「住めそう?」
ドアに身体をあずけながら彼が尋ねる。そんな、なんでもない姿さえカッコいいなんて本当にずるい。
「綺麗すぎて恐縮してる」
正直な意見を伝えると、また彼が噴き出した。
「お前のそういうところ、本当に好き」
さらりと赤面させることを言って彼は踵を返す。残された私は思わず両手で頰を包む。
動揺しない、絶対からかわれているだけなんだから!
「洗面所と風呂はこっちだから、来て」
廊下の先から上尾さんの声がする。気づかない間に真っ赤になった顔をブンブンと横に振って私は部屋をでた。
リビングに続く廊下に並ぶふたつの部屋のひとつは彼の寝室。もうひとつは空き部屋。
「一緒に寝る?」
真顔で言う上尾さんを無言で睨む。
「冗談。俺の隣の部屋がお前の部屋」
そう言って、彼は明るいブラウンのドアを開けてくれた。七畳ほどの部屋には、向かって左手にウォークインクローゼットがあり、正面にはサービスバルコニーに出られる大きなガラス窓。装飾レールには淡いベージュのカーテンがかかっていた。
そろ、と室内に足を踏み出す。十分すぎるほどのスペースだ。
「住めそう?」
ドアに身体をあずけながら彼が尋ねる。そんな、なんでもない姿さえカッコいいなんて本当にずるい。
「綺麗すぎて恐縮してる」
正直な意見を伝えると、また彼が噴き出した。
「お前のそういうところ、本当に好き」
さらりと赤面させることを言って彼は踵を返す。残された私は思わず両手で頰を包む。
動揺しない、絶対からかわれているだけなんだから!
「洗面所と風呂はこっちだから、来て」
廊下の先から上尾さんの声がする。気づかない間に真っ赤になった顔をブンブンと横に振って私は部屋をでた。