エリート弁護士と婚前同居いたします
「私、朔くんをちゃんと見ていなかったんだ……」
カルピスサワーを追加注文した詩織は、ゆっくりと私に向き直る。
「まあ、世の中には結婚詐欺師もいるわけだし、悪人だっているから全員をそのまま信じろっていうのは無謀だとは思うけど。でもよく考えたらそれが偽物なのか本物なのかわかるんじゃない?」
無性に彼に会いたくなった。きちんと謝りたい。
「私から見たら茜は上尾さんに恋をしてるように見えるよ」
フフと彼女は嬉しそう届いたばかりのお酒を美味しそうに口にする。私は恥ずかしくなってぬるくなったビールを飲んだ。
「ウーロン茶、ください」
ちょうど横を通った店員に声をかけて注文する。冷たく、苦いものを口にして頭の中をスッキリしたかった。そんな私を彼女は相変わらず楽しそうに眺めている。
「認めちゃえば? 上尾さんのこと好きなんでしょ?」
店員がテーブルから離れた途端に詩織が言う。
ドキン、彼女の言葉に鼓動が速くなる。これはお酒のせいじゃない。
「私が、朔くんを、好き?」
言葉にだしてしまった途端、鼓動が暴れ出す。まるで強いお酒を口にしたみたいにカアッと一気に身体が熱くなって胸が震えた。思わず額に手を当てる。
まさか。でもこんな風に落ち着かない気持ちは初めてだ。頭の中に彼の姿が浮かぶ。今朝だって会ったというのに彼の姿が見たくて声が聞きたくなる。
認めるしかない。
私は彼が好きなんだ。
ずっとどこかで気持ちを押し殺していた。出会って間もない、よく知らない人を好きになんてならないと、そんなことはありえないって思っていた。
だけど彼は私のそんな概念をやすやすと覆した。私は彼をいつから好きになったのだろう。気がついた時にはもう恋に落ちてしまっていた。だって身体がふわふわしている。
カルピスサワーを追加注文した詩織は、ゆっくりと私に向き直る。
「まあ、世の中には結婚詐欺師もいるわけだし、悪人だっているから全員をそのまま信じろっていうのは無謀だとは思うけど。でもよく考えたらそれが偽物なのか本物なのかわかるんじゃない?」
無性に彼に会いたくなった。きちんと謝りたい。
「私から見たら茜は上尾さんに恋をしてるように見えるよ」
フフと彼女は嬉しそう届いたばかりのお酒を美味しそうに口にする。私は恥ずかしくなってぬるくなったビールを飲んだ。
「ウーロン茶、ください」
ちょうど横を通った店員に声をかけて注文する。冷たく、苦いものを口にして頭の中をスッキリしたかった。そんな私を彼女は相変わらず楽しそうに眺めている。
「認めちゃえば? 上尾さんのこと好きなんでしょ?」
店員がテーブルから離れた途端に詩織が言う。
ドキン、彼女の言葉に鼓動が速くなる。これはお酒のせいじゃない。
「私が、朔くんを、好き?」
言葉にだしてしまった途端、鼓動が暴れ出す。まるで強いお酒を口にしたみたいにカアッと一気に身体が熱くなって胸が震えた。思わず額に手を当てる。
まさか。でもこんな風に落ち着かない気持ちは初めてだ。頭の中に彼の姿が浮かぶ。今朝だって会ったというのに彼の姿が見たくて声が聞きたくなる。
認めるしかない。
私は彼が好きなんだ。
ずっとどこかで気持ちを押し殺していた。出会って間もない、よく知らない人を好きになんてならないと、そんなことはありえないって思っていた。
だけど彼は私のそんな概念をやすやすと覆した。私は彼をいつから好きになったのだろう。気がついた時にはもう恋に落ちてしまっていた。だって身体がふわふわしている。