エリート弁護士と婚前同居いたします
「あ、ああの、改めて昨日は迷惑と心配をかけてごめんなさい」
ぺこりと頭を下げる。
「もういいよ。俺の方こそ大きな声を出して叱ってごめん。でも心配だったのは本当だから、これからはきちんと連絡して」
撫でていた髪をひと房掴んで彼が軽く弄んで引っ張る。そのなんでもない仕草にドキン、と鼓動がひとつ大きく跳ねた。こくんと頷く私に彼が満足そうに笑う。
「でもそのおかげで茜の本当の気持ちが聞けたから俺には幸せな夜だった」
優しい目で彼が私を見つめる。どう反応していいかわからずにまごつく。
「あ、あのっ朔くんは私のことをいつから知っていたの?」
漂う甘い空気をできるだけ緩和すべく、必死に言葉を紡ぐ。
それは以前から聞きたかったこと。カフェで貴島先生に紹介された時、私にとっては完全な初対面だったけど彼は私を知っているようだった。
「ああ……誠一のクリニックに通うようになってから、かな。しばらく経ってから、誠一に侑哉の彼女の妹だって言われて」
そっか、お兄ちゃんとは親友だもんね。
彼の説明に納得する。
「だけど、私と話したことってなかったよね? 私、クリニックで朔くんの応対をしたことあった?」
念のために尋ねる。
「いや、なかったよ。クリニック内で話したことは一度もない。茜は俺に興味ももってなかったようだし、いつも自分の仕事に精一杯みたいだった」
彼は少し私から視線を逸らしてぎこちなく言う。
ぺこりと頭を下げる。
「もういいよ。俺の方こそ大きな声を出して叱ってごめん。でも心配だったのは本当だから、これからはきちんと連絡して」
撫でていた髪をひと房掴んで彼が軽く弄んで引っ張る。そのなんでもない仕草にドキン、と鼓動がひとつ大きく跳ねた。こくんと頷く私に彼が満足そうに笑う。
「でもそのおかげで茜の本当の気持ちが聞けたから俺には幸せな夜だった」
優しい目で彼が私を見つめる。どう反応していいかわからずにまごつく。
「あ、あのっ朔くんは私のことをいつから知っていたの?」
漂う甘い空気をできるだけ緩和すべく、必死に言葉を紡ぐ。
それは以前から聞きたかったこと。カフェで貴島先生に紹介された時、私にとっては完全な初対面だったけど彼は私を知っているようだった。
「ああ……誠一のクリニックに通うようになってから、かな。しばらく経ってから、誠一に侑哉の彼女の妹だって言われて」
そっか、お兄ちゃんとは親友だもんね。
彼の説明に納得する。
「だけど、私と話したことってなかったよね? 私、クリニックで朔くんの応対をしたことあった?」
念のために尋ねる。
「いや、なかったよ。クリニック内で話したことは一度もない。茜は俺に興味ももってなかったようだし、いつも自分の仕事に精一杯みたいだった」
彼は少し私から視線を逸らしてぎこちなく言う。