エリート弁護士と婚前同居いたします
いつも通りの平日の朝。
朔くんはすでに家を出ている。出勤準備をして、部屋を出ようとした時にカウンターキッチンの上に見慣れないものが置いてあることに気づいた。整理整頓が上手な朔くんは基本的に物を出しっぱなしにはしない。
不審に思って近づいて見ると、それは彼のキーケースだった。勿論この部屋の鍵が付いている。
「え、なんで!」
思わず声を上げる。
昨夜、彼の帰りは深夜に近かった。何時になるかわからないから、先に休むようにとの連絡があり、しばらくは待っていたのだけれどいつの間にかウトウトしてしまっていたらしい。夢うつつのなかで彼が帰って来た音を聞いた、朧気な記憶がある。
その証拠にリビングで眠っていたはずなのに、目覚めた時には自室のベッドにいた。どうやら彼が私を自室に運んでくれたようだ。
思わず身につけているものを確認してしまったことは彼には内緒。私たちはまだキス以上の関係にはなっていない。一緒に眠ることもしていない。
彼は深夜に自室で仕事をしていることも多いから、私を起こさないようにと配慮してくれているのだと思う。帰宅時間も定まっていないし、休日も私と全く一緒ではない。
今の私は毎日新しい彼を知っている気がする。それはとても幸せなことだ。焦る必要がないことはわかっているし、彼が私に向けてくれる気持ちを疑ったこともない。
朔くんはすでに家を出ている。出勤準備をして、部屋を出ようとした時にカウンターキッチンの上に見慣れないものが置いてあることに気づいた。整理整頓が上手な朔くんは基本的に物を出しっぱなしにはしない。
不審に思って近づいて見ると、それは彼のキーケースだった。勿論この部屋の鍵が付いている。
「え、なんで!」
思わず声を上げる。
昨夜、彼の帰りは深夜に近かった。何時になるかわからないから、先に休むようにとの連絡があり、しばらくは待っていたのだけれどいつの間にかウトウトしてしまっていたらしい。夢うつつのなかで彼が帰って来た音を聞いた、朧気な記憶がある。
その証拠にリビングで眠っていたはずなのに、目覚めた時には自室のベッドにいた。どうやら彼が私を自室に運んでくれたようだ。
思わず身につけているものを確認してしまったことは彼には内緒。私たちはまだキス以上の関係にはなっていない。一緒に眠ることもしていない。
彼は深夜に自室で仕事をしていることも多いから、私を起こさないようにと配慮してくれているのだと思う。帰宅時間も定まっていないし、休日も私と全く一緒ではない。
今の私は毎日新しい彼を知っている気がする。それはとても幸せなことだ。焦る必要がないことはわかっているし、彼が私に向けてくれる気持ちを疑ったこともない。