恋駅


「免許持ってるとか最高だよね」


「なんだよ、急に」


「いや、ほら、私は持ってないじゃん?」



白のワゴン車の助手席に乗り、
雪の手元を眺める。



「芹那も取れば?」


「時間無いし」


「確かに。俺も高校の時取ったかんな」



エンジンが鳴り、車が動き出す。


いつ乗っても安心感がある、
スピードを出しすぎない、雪の安全運転。



「運転中の雪は
2割り増しかっこよく見えますよ」


「おまえは……
おだてても何もやらないからな」


「なんだ、ケチ」


「うわ、マジムカつく」



プハッと吹き出す雪は
本当に可笑しそうに笑ってて。


私もつられたりして。


でも、ワイシャツの腕を捲って
運転する姿がかっこよく見えるってのは
実は嘘じゃなかったり。


よくある運転マジック。

その効果は絶大みたいです。

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