恋駅


お先に失礼します、


皆にぺこりと頭を下げ
雪に軽く手を振って
タイムカードを押し、空くんに連絡。


終わったよ、と……。


今から帰るね、と送れば
ずっとスマホ弄ってたのかな、

はい!待ってますね!と
すぐさま返信が来た。



ふふふ。


いつぶりかな、、。


緊張と、楽しみと、高鳴りと。


高校生以来、かもしれないな。
この感情は。


ちょっと、いやかなり
テンションが上がってるかもしれない。



だって、駅まで歩く道のりが
電車を待っている間が

帰宅ラッシュより少し早い時間帯、
まだ混雑していない電車に乗り
ガタンゴトンと揺られている時が

何故だかいつもよりもどかしく
とても長く
早く着かないかな、
そう感じている自分がいて。


そうやって

………何かが、私の日常を
少しずつ違ったものに変えようとしていた。

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