恋駅
「別に芹那さんにならいいよ?
むしろ大歓迎」
「……あぁ、そう」
「あーーもう!!早く会いたい!!」
どうしよう、もう俺、爆発する。
「……さっき会ってきたんじゃねぇのかよ」
「電車の中だけだし
ほんのちょっとだし
あれじゃあ足りないよ」
「………ふーん」
あーあ。
芹那さんについてもっと語りたいのに
わたちんは興味無さげ。
わたちんにも芹那さんの良さ
わかってほしいのに。
あ、でも、そうなったら
わたちんも芹那さんのこと…………
だめだめ!それは絶対だめっ!
芹那さんは俺のもの。
誰にも渡しません!
風間空。18歳。
自分自身にそう誓いを立てていますっ!
「つーかおまえ、
ほんとに相手にされてるのか?
実は鬱陶しがられてたりして」
「さ、されてるよ!!
ちゃんと朝、駅で挨拶するし
話したりもするし
この間なんか、公園で夜会ったからね!」
たくさん話したもん。
芹那さんのことも少しだけど知ることができて
やっぱりそういうのって嬉しいんだ。
もっともっと芹那さんに近付くために
俺、頑張るよ!
あの人への想いは、誰にも負けないし!
「23の大人が
おまえみたいなやつ、
まともに相手するわけねーだろ」
「だから、
してくれるように頑張るんじゃん!」
自分の思いは全力で伝えた。
あとは、彼女を振り向かせるだけ。
それがとても難しいことは
ちゃんと理解してるけども。