恋駅
「そらーーー」
「んーー?」
授業合間の休憩時間。
友達に声をかけられ
もぞもぞと身体を起こす。
「まーた寝てたんか」
「勉強する気にならない……」
「おまえなぁ」
わかってるよ。
高3。進路。散々言われてるし。
でも今は、
頭の中が芹那さんのことでいっぱい。
本来なら
優先順位は逆であるべきなんだろうけど
俺の一番は芹那さん。
進路なんて二の次だ。
「あ、でさ。
気分転換にでも今度ある夏祭り
みんなで行かね?って話になってるんだけど
空はどーする?来る?」
ん?
「夏祭り?」
「ん。毎年9月後半にあるんだけど」
「へぇ」
夏祭り、か。
みんなとも行きたいけど
芹那さんとだったら……
きっと楽しいんだろうな。