恋駅
あ。
そうだよ!
芹那さんを誘えばいいんじゃん!
「ごめん!俺パスする!」
「えぇーーっ、まじかよ。
山倉に絶対空を誘えって言われてんのに」
「ごめんって。
俺、その日予定あるから!」
両手を合わせ、謝った後は
サッとスマホを取り出して
芹那さんにLINEを送る。
今度、夏祭りがあるみたいなんですけど
一緒に行けませんか、と………。
送信、を押した後は
早く返信こないかなって
ソワソワ、落ち着かなくなる。
もう、他の人と約束しちゃってるかな……。
それとも仕事?
でも、芹那さんの仕事って
朝早いから
そのぶん夜遅くまではかからないはず、
なんだけど……。
少しでもいい。
1時間でも、30分でもいいから
一緒に共有したい。楽しい時間を。
1人、胸を高鳴らせながら
次の授業も終え、昼休み直前。
机の上に置いていたスマホが振動し
はっ、と素早く確認。
「よっ、しゃ………っ!!」
途端に、込み上げて来る感情がある。
そして、
小さくガッツポーズした。