恋駅
Summer Night
「夏祭り、かぁ……」
一人暮らしのアパート。
決して広くはないそこで
風呂上がりの私は
首回りにタオルを巻き、髪を上げた状態で
ボフッとベッドに腰掛ける。
昼間に来た空くんからのLINE。
夏祭りなんてここ数年行ってなかったし
たまたまその日は休みだったこともあり
面白そうってことでオッケーを出した。
浴衣、そういえば持ってたっけ。
立ち上がり、押入れの中をガサゴソ。
確か、前に着てたものがあったような……。
夏らしいことを最近は何もしてないから
ちょっと楽しみだったりして
たまにはのんびりゆったり過ごしてみよう。
「あっ」
ダンボールの中。
「あった………!」
いい意味でも悪い意味でも
数年前から体型は変わってないから
多分着れるはず!
白地に淡いピンクの花が散りばめられた
清楚感溢れる浴衣を広げ
夏祭りに期待を寄せる。
23だけど
着てもおかしくないよね、大丈夫だよね?
私、まだ若いもん。