恋駅
夏祭り当日の会社内。
この日はどういうわけか
若い世代の子達は
ちゃっちゃと仕事を終わらせて
次々に上がっていた。
……やっぱり、お祭りに行きたいのかな?
先輩方の中には
いつもこのペースでやってくれれば
残業もせずに上がれるのにね
なんて話している人達がいて
あーー確かに、なんて。
でも、私もどっちかっていうと
後輩達寄りなのかもしれない。
この日も空くんに誘われたあの日のように
いつもよりほんの少しだけど
自分の仕事を早めに終わらせていた。
お先に失礼します、
挨拶を交わして、
先輩達にお疲れー!と言われ退社。
隣の席に雪はおらず
今日は珍しく平日休みだったとか。
雪はお祭り、来るんだろうか。
さっさと歩いて駅で電車を待つ。
家に帰れば待っている、
白地に花柄の浴衣。
髪はどうしよう。
上げてみる?
それとも下ろしたまま?
……珍しく悩み出す私は
自分自身でその変化にはまだ気付いていない。