君と永遠に続く恋をしよう
複雑な気持ちのまま背中を見送ると、桜庭さんは門扉に手を掛けた平野さんの脇を擦り抜け、こんばんは…と互いに挨拶して会釈を交わす。
それから表通りの方へ向かうまで、私も平野さんも一切動かずに眺めた。
視界から桜庭さんが消え、平野さんの視界からも彼が見えなくなると、門扉の側にいた彼は振り返り、私を見つめると頭を下げた。
「……ごめん。俺、昼間はどうかしてた」
門扉の中に入ろうともしない平野さんの姿を見つめ、私も掌をぎゅっと握る。
彼は顔を上げると悲しそうな目をしていて、「焦ったんだ…」と囁いた。
「さっきの彼に、奈央ちゃんを持って行かれると思って」
桜庭さんを引き合いに出し、唇を噛み締める。
「賢也からは何度も言われてたのにな。俺じゃ駄目だ…って」
「え?」
どういう意味?と首を傾ける私を見つめ返し、平野さんはこう言った。
「俺じゃ奈央ちゃんに似てるから駄目だって。君にはもっと、性格の違う相手の方がいい、って何度も言われてたんだ。
それから表通りの方へ向かうまで、私も平野さんも一切動かずに眺めた。
視界から桜庭さんが消え、平野さんの視界からも彼が見えなくなると、門扉の側にいた彼は振り返り、私を見つめると頭を下げた。
「……ごめん。俺、昼間はどうかしてた」
門扉の中に入ろうともしない平野さんの姿を見つめ、私も掌をぎゅっと握る。
彼は顔を上げると悲しそうな目をしていて、「焦ったんだ…」と囁いた。
「さっきの彼に、奈央ちゃんを持って行かれると思って」
桜庭さんを引き合いに出し、唇を噛み締める。
「賢也からは何度も言われてたのにな。俺じゃ駄目だ…って」
「え?」
どういう意味?と首を傾ける私を見つめ返し、平野さんはこう言った。
「俺じゃ奈央ちゃんに似てるから駄目だって。君にはもっと、性格の違う相手の方がいい、って何度も言われてたんだ。