君と永遠に続く恋をしよう
「そうです。急に好きだったって言われてビックリしたの。
今まで平野さんのことを異性として意識したこともなかったし、答えに困って戸惑った。そしたら、抱き竦められて怖くて…」


桜庭さんが映画館で上から被さってきた時は安心したのに、それとは全く逆で驚いた。
だけど、同時に怯えてしまい、離して欲しくて叫んでしまった。


「…ふぅん。それでか」


納得する様に呟く彼は、足を踏み出しながら手を伸ばしてくる。


「俺を頼ろうとしてくれたんだ」


そう言うと背中に腕を回して抱きついた。
力を込めるわけでもなく、包み込む様にソフトに。


「さ、桜庭さん!?」


ぎくっとすると、何もしない…と声が戻る。
既にしてるじゃない、と言いたくなり、離して…と唇を動かしかけた。


「電話をしてきた時、俺にこうして欲しかったんだろう?」


「な…」


そんなつもりなんてない、と言おうとしたが、それが全く違うとは言えなかった。

だって、今現に桜庭さんに包まれた瞬間から温もりが胸の中に広がってる。
好きかどうかもまだ分からない人なのに、どうしてこんなに安心するのかが掴めない。


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