君と永遠に続く恋をしよう

翌日、広大さんと二人で家へ帰ると、母が満面の笑みで迎えてくれた。


「いらっしゃい。待ってたのよ」


嬉々として「上がって」と誘い、彼も恐縮しながら靴を脱いでスリッパに履き替える。
通されたリビングでは父が新聞を眺めてて、私と彼はその姿を目に入れ、お互いにゴクッと息を飲み込んだ。


「お…お父さん」


努めて明るく声をかけると老眼鏡の奥の瞳がこっちを見遣り、「ああ、おかえり」と低い声で返事が戻る。


「あの…お邪魔致します」


広大さんは丁寧な口調で挨拶して頭を下げ、父も余所行きな顔つきで「どうぞ」と中へ手招いた。



「あの…」


中に入った私達は、父と母が座るソファの向かい側に並んで座り、膝の上に手を置いて畏まった。

両親は私達のことをじっと見つめ、心なしか広大さんの言葉を期待しつつ待ってる様な気がした。


「……実は、賢也の事故のことで、お二人にお話があります」


広大さんの声に、母は一瞬落胆したように肩を落とした。
だけど父は冷静で、「何だい」と彼を見据えたまま訊き返してくる。