君と永遠に続く恋をしよう
それで、夜も眠れずにいて、来てくれたらいいのに…と思い続けてるんだろうと話した。


「現実を受け止められないでいるのよ。だから、前にも進めてない」


此処に来て遺影を見れば実感する筈だ。
兄がもうこの世には居ないことを。


「辛い現実かもしれないけど、今のままじゃいけないと思う。だから、お母さん達にもお願いしたいの。明日香さんをこの家に連れて来てもいい?兄さんの遺影に、彼女を参らせて欲しいの」


そうすればきっと、彼女も前を向いて行ける筈。
苦しい現実とちゃんと向き合いながら、自分の生活をきちんと立て直して行ける筈だ。


「歯痒いとは思うけどお願い。兄さんもきっと明日香さんを待ってると思うから」


揺らめく炎を見ながら頼むと、父も母もお互いに目を見合わせてしまう。
広大さんは膝に置いてる手を握りしめると、自分からもお願いします…と頭を下げた。


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