君と永遠に続く恋をしよう
「俺ももう奈央の話が聞けないと思うと残念だよ」


面白かったのになぁーと微笑む彼の肩を叩き、「もう、デリカシーのない人!」と怒った。
彼は笑いながら「ごめん」と謝り、霊園に着くと花束を二つ買って手向けた。



(兄さん…)


頭の中で私は過去の思い出を掘り起こす。

いつも兄は、私にいろんなことを言っては「後は自分次第だ」と言って突っ撥ね、「呉々も選択を誤るなよ」と注意した。


(…私は今、選択を間違ってはないよね?)


しかも隣にいる人は、兄さんが決めた様なもんだからね、と呟く。


(そうは言っても、最後に決めたのは自分自身だけど)


きっと間違ってない、と自信を持ってはまだ言えない。
私達はまだ始まったばかりだし、これからきっと、沢山のことを積み重ねていく筈だと思うから。



(だけど)


そっ…と手を握ると、彼の方も握り返してきてくれる。
こんな風に自分と同じことを返してくれる人に出会えたことは、多分、一生の宝物になるんじゃないだろうか。



「奈央」


優しい声で広大さんが私を呼ぶ。
それに「はい」と答えて、彼と目を見合わせて微笑んだ。


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