君と永遠に続く恋をしよう

「…俺と結婚しないか？」


急な申し出に目を見開き、は？と言ったまま呆然とした。


「まだ少し早過ぎるかなとも思ったんだけど、此処で賢也にも伝えておきたいんだ」


そう言うと彼はポケットから小さな箱を取り出し、「早いけどクリスマスプレゼント」と言って蓋を開ける。
中にはブルーの宝石が乗ったハートのリングが入ってて、私は言葉もなく、それを見つめてしまった。


「女性に指輪とか贈るの初めてだから緊張したよ。ジュエリーハウスって所は、男一人で行くもんじゃないな」


そう言うと、クッションからリングを取り外して指先で摘む。

手を出して…と囁くからその通りにすると、スルッと滑らせる様にして左手の薬指に通してしまった。


「丁度いいかな」


見つめながら問うもんだから自分も再確認。
青く光る宝石は冷たくなった指先の根元で輝き、グラグラもせずに、ドッシリとした存在感を示してた。


「丁度いいみたい」


まだ信じられない感じで返事すると、広大さんは「良かった」と安心し、手を握り直して兄の墓前に向き直った。