君と永遠に続く恋をしよう
「おはようございまーす」
『サンホーム』株式会社、本社ビル総合受付案内業務。
ここが私、緒方奈央の勤務先であり、配属先の部署である。
「おはよう。奈央ちゃん!」
仕事上では苗字にさん付けで呼ばれるのだが、まだ始業前だからか気軽にちゃん付けで呼んでくる先輩に気づいて頭を下げた。
「角川さん、おはようございます」
昨日はお休みを頂いてすみません…と話す側から、角川さんは嬉しそうに走り寄ってきた。
「待ってたのよぉ〜!」
私の目の前で立ち止まり、黒目をクルクルさせながら「驚いたことがあってね!」と肩を竦める。
「え?何事ですか?」
いつもながら綺麗目な顔立ちの人が妙に浮き足立ってる姿を見つめ、小さな笑みを溢した。
「あのね、昨日貴女を訪ねてきた人がいたの!」
「私を?」
「そう!それが、もっのすごくイケてる感じの男性でね。男っぽい声で『緒方奈央さんはいますか?』って訊いてくるのよ。
…でも、昨日は奈央ちゃん法事でお休みだったでしょ。だから、今日は公休日です、と教えたら残念そうな顔をして帰ってしまわれてね」