君と永遠に続く恋をしよう
あの人はそれを間に受け、本当に私と付き合おうとしてる。
アホらしいと言えば、私の方がアホだと言い返してきて、大分腹立たしくもあったけど__。


「…変ね。この花を見てると、妙に気持ちが落ち着くの」


怒りとかそんなの何処かに飛んで行って、気分が明るくなってきそうだ。

元気が出そうと言ってた母の言葉を思い出して頷き、はぁ…と肩の力を抜いた。


「どうせ今夜が初で最後だからいいか。お母さん達と一緒に兄さんの思い出話でも聞こう」


そうと決まれば用意を手伝おうと思い、着替えてキッチンへ向かう。

リビングでは、ついさっき帰ってきたような父の声が聞こえ、楽しそうに談笑する声が響いてる。



(お父さんが笑ってる)


この二ヶ月ばかり、父はどちらかと言うと塞ぎ込んでて、笑ったりもあまりしないで落ち込んでばかりいた。

それが、まるで嘘みたいに明るい__。



(良かった…。すごく嬉しそう)


キッチンに入りながら微笑んだ。

その夜からまさか、毎週のように桜庭さんが家に来ることになるとは思わずに__。



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