君と永遠に続く恋をしよう
忙しい人みたいだから、この時間に起きてるかどうかは分からないけど、取り敢えずは連絡してみようと試みた。


プルル…とコール音が二度繰り返し鳴って、私は早々と彼が電話に出なくてもいいや、と思い始めた。

彼に私の携帯番号は教えてないし、見知らぬ人からの電話に彼が出るとは思えない。

四度、五度……と繰り返し鳴っても出ないなと確信し、もう止めよう…と言うつもりで両親に目を向けた。



「……はい、誰」


くぐもった声が聞こえビクッとする。

電話の向こう側にいる相手は気怠そうに息を吐き、その音が耳にこだまして胸が弾んだ。


「…あの、おはようございます。緒方です」


家族の代表として掛けたつもりでいるから苗字だけを名乗った。


「えっ……緒方って………奈央さんっ!?」


驚いた様な声を発した彼は、バサッと衣擦れの音を立て、「おはよう」と挨拶する。


「まだ寝てましたか?すみません、お休みのところを起こしてしまって」


両親に繋がったよ、と手で合図をした私は、そのまま椅子を立ち上がりテーブルから離れた。


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