君と永遠に続く恋をしよう
両親も不快にさせない断り方が出来ると思って言ったのに、彼は平然とした様子で。


「別に無理はしてないよ。君んとこの社長にアポを取ったのも、今日は君と一緒にビルを出ようと思ってるからだし」


最初から伺う予定だったと言う彼に「えっ!?」と不満そうな声を漏らし、「来ないで下さい」と直ぐに拒否しそうになったけど__。


(お父さん達がいる前で、それは言えないし)


あんなに楽しみにしてる両親を見ると、それだけは流石に言えないな、と思って唇を噛む。



「…そうですか。じゃあ、両親にはそう伝えておきます」


苦々しく思いながら囁くと、ククッと笑う声がした。


「なんか俺、全然歓迎されてないみたいだな」


パタンと冷蔵庫のドアを閉める様な音が聞こえ、ついでにゴクン…と何かを飲み込む音も聞こえた。


「先週は結構楽しそうにしてたくせに」


一緒に飲んで話を聞いた時のことを持ち出され、私はカッと頬が熱くなった。


「あの時は、あれで最後だと思ったから」


それに、私が知らない兄の話を彼が色々としてくれたから面白かったんだ。


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