君と永遠に続く恋をしよう
この人は、どうしてこうもあっさりと私を恋人や彼女だと言って他人に紹介するんだ。
私にはその気が全くないのに、まるで外堀を埋めるかの様に吹聴して……。


(あ、そういうこと)


つまり、追い込もうとしてるってこと?
身動きが取れなくなる様に、周囲からじわじわと攻め込んでこようとしてるの?


成る程…と頭の中で理解し、その手には乗らないからね、と再び誓う。

いくら亡くなった兄が勧めていた相手だとしても、そこから簡単には、恋に発展なんてしないんだから。


攻め込んで来ても受け付けないからね、と思い、彼と一緒にオフィスビルを後にする。

外へ出る前も、出てからも嫌と言うほど周りから注目され、肩身が狭くて仕方なかった__。




駅へ着くと、彼は両親にお土産を買うと言いだした。

「何も要りませんよ」と拒否したが、それでは彼が納得いかないらしく、駅ビルの地下街へ連れて行かれ、さっさと両親が好きそうな物を購入していった。


父にはワインとチーズ。
母には彩りが綺麗なマカロンの詰め合わせ。


「これでいいかな」


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