君と永遠に続く恋をしよう
(恥ずかしくてどうしようもないんだけど!?)


なるべく顔を上げないでおこう。
下手に誰かの視線を感じたら、余計に緊張してきそうだ。


ムッとしたまま電車内に乗り込む。
桜庭さんは降車駅に着くまで手を離さず、どこまで頑固なんだ…と正直かなり呆れた。

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「ねぇ、もういいでしょ」


いい加減子供じゃないんだから離してよ…と改札を出て訴えると、振り向いた彼は「まだ家に着いてない」と断固拒否。


「もうっ!」


本当にどこまで頑固なんだと離されない手を睨み付け、これなら何か買って貰えば良かった…と反省する。


(この間みたいなミニブーケでも良かったのに)


あれはもう枯れてしまってたし、部屋の中に彩りが無くなって少し寂しいなと感じてたんだ。


(でも、この人の手に乗るのは癪だし)


だけど、手を離されないままでいるよりかはマシだった、と思い、次からは変なやせ我慢はしないでおこうと決めた。


(あっ…でも、今日が最後だった)


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