君と永遠に続く恋をしよう
（何なんだよ、あいつは）


遠目に嬉しそうな二人の様子を見つめ、急に放っとかれた自分が少し惨めに感じる。

誰なんだ…と男性の方を睨み付けていると、そいつが俺を振り返って彼女を呼んだ。


「奈央ちゃん、あの人…」


ちらっと目配りされて顔が引きつる。
自分とあまり年の変わらなそうな相手の横から彼女が顔を覗かし、あっ…という口元をして目を逸らせた。


「すみません、桜庭さんもどうぞ」


しまった…という表情を浮かべたまま自宅へと向かい、ドアを開けると大きな声で「ただいまー」と叫んでいる。


（まるで子供だな）


クク…と苦笑しながら門の方へ近付いて行くと、彼女に「平野さん」と呼ばれた男が、微笑ましそうに彼女の背中を眺めていた。


（こいつ…）


一体誰なんだ、と思いながら彼女の親に招かれるようにして玄関へ入る。
父親も母親も「平野」という男性の訪問に驚いて喜び、「よく来たね」と言いながら上がるように…と勧めた。


「桜庭さんもどうぞ。今日はお二人も訪問客があって嬉しいわ」


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