君と永遠に続く恋をしよう
「凄いなぁ。一級建築士さんですか」


賢也にも大した友達がいるな、と笑い、何だかあまり嬉しくもないが微笑み返す。


「平野さんはね、兄さんの高校時代の悪友で、昔は連んで悪さばっかりしてた仲なの」


同じ町内に家があるんだと言う彼女は、彼に向いて「ねえ?」と訊いている。


「その言い草はないよ。俺は賢也と悪さなんてしてないし」


単純にバイクを乗り回して遊んでただけだと言う相手に、彼女も両親も楽しそうに話しかけている。


(なんか俺、すっかり邪魔者みたいな雰囲気じゃないか?)


さっきから彼女のことをちゃん付けで呼ぶ男は、この家の家族とも深い繋がりがある様な雰囲気なんだが。


(どうにも気にいらねぇな)


こういう男が近くにいるならいると先に言っとけよ…と賢也の遺影を見返した。
亡くなる数ヶ月前に彼が俺に頼んだことを思い出して、しみじみ、どうして俺だったのかな…と考え込んだ。

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